会議室のホワイトボードの代わりに、ブラウザの上で付箋や図形を並べて話し合う。オンラインホワイトボードは、リモートや拠点をまたいだ会議で、ブレインストーミングや業務フローの整理に広く使われるようになりました。ただ、無料で使えるボードの数や料金の数え方、得意な用途は製品ごとに違います。そのため、オンラインホワイトボードを比較しようとしても、どこを見ればよいか迷いやすくなります。
この記事は、社内の会議やワークショップで使うオンラインホワイトボードを選ぶ情シス・総務・営業企画・マーケの担当者に向けて書いています。9 製品について、無料プランの制限、有料プランの料金、向いている使い方を比べます。
料金と上限は、2026 年 10 月 20 日時点で各社の公式サイトに掲載されている内容だけを書いています。公式で確認できなかった値は「公式で確認できず」としています。
結論:目的別のおすすめ
- 用途を問わず、テンプレートの多い定番を使いたい:Miro。無料プランでもメンバー数は無制限です
- Figma でデザインを作っているチーム:FigJam。デザインのファイルと同じ場所で使えます
- ワークショップの進行(ファシリテーション)を重視する:Mural
- Zoom や Microsoft 365 をすでに契約している:Zoom Whiteboard、Microsoft Whiteboard。会議ツールの中から使えます
- アカウントを作らずに、手早く図を描きたい:Excalidraw。ブラウザを開けばすぐに描けます
オンラインホワイトボードの選び方
無料プランで編集できるボードの数
オンラインホワイトボードの無料プランは、「編集できるボードは 3 つまで」という形の制限が多く見られます。Miro・Mural・Lucidspark・Zoom Whiteboard・Conceptboard がこの形です。古いボードは閲覧だけになる、新しいボードを作るには既存のボードを削除する必要がある、といった動きになるため、会議のたびにボードを作る使い方では上限にすぐ届きます。継続して使うなら、有料プランを前提に考えたほうが安心です。
料金の数え方(編集する人ごとか、全員か)
有料プランの多くは「メンバー(編集者)あたりの月額」です。閲覧だけの人や、会議に一時的に参加するゲストを無料で招待できるかどうかは製品で違います。社外の取引先を招待してワークショップを開く予定があるなら、ゲストの扱いを先に確認しておくと、想定外の費用を防げます。
会議ツールとの連携
オンラインホワイトボードは、Zoom・Teams・Google Meet などのビデオ会議と一緒に使うことがほとんどです。会議の画面からボードを開けるか、会議のあとにボードを共有できるかで、参加者の手間が変わります。普段使っている会議ツールに組み込まれている製品なら、新しいアカウントを用意せずに済むこともあります。
テンプレートと進行のための機能
ふりかえり、カスタマージャーニー、業務フロー図など、よく使う型がテンプレートとして用意されていると、白紙から描き始めるより準備が早く済みます。投票、タイマー、参加者を自分の画面に呼び寄せる機能など、ワークショップの進行を助ける機能の充実度も製品によって差があります。
描いた図を残す場所
ホワイトボードで整理した内容は、会議が終わると見返されなくなりがちです。ボードを画像や PDF で書き出せるか、議事録や手順書と同じ場所に置けるかを確認しておくと、描いた図をあとの仕事に活かしやすくなります。無料プランでは書き出しが低解像度だけ、という製品もあります。
セキュリティと管理
社外秘の情報をボードに書くなら、シングルサインオン(SSO)、ボードの公開範囲の設定、データの保存先といった管理機能を確認しましょう。これらは上位プランに限られることが一般的です。
オンラインホワイトボード比較表
| ツール名 | 無料プラン | 有料プランの目安 | 無料プランの上限 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Miro | あり | 月額 $8〜/メンバー(年払い) | 編集できるボード 3 つ/メンバー無制限 | テンプレートと連携先が多い定番 |
| FigJam | あり(Figma の Starter) | Collab シート 月額 $3〜(Professional) | 1 チーム・ファイル 3 つ(プラン全体) | Figma のデザインと同じ場所で使える |
| Mural | あり | 月額 $9.99(年払い)/ $12(月払い)/メンバー | 編集できるボード 3 つ/メンバー無制限 | ワークショップの進行機能が充実 |
| Lucidspark | あり | 月額 $9〜(Individual) | 編集できるボード 3 つ | 作図ツール Lucidchart と組み合わせやすい |
| Zoom Whiteboard | あり(Zoom Workplace Basic) | 月額 $5.83(年払い)/ $7(月払い)/ユーザー | 同時に編集できるボード 3 つ | Zoom の会議の中から使える |
| Microsoft Whiteboard | 単体アプリは 2026 年 10 月に廃止 | Microsoft 365 の法人・教育向けの契約で利用 | 公式で確認できず | Teams の会議の中で使える |
| Excalidraw | あり | Excalidraw+ 月額 $6/ユーザー(月払い) | 共同編集者は無制限 | 手書き風の図を手早く描ける |
| Whimsical | あり | 月額 $10/編集者(年払い) | ボードの要素は月 50 個まで | フローチャートや図の整理が得意 |
| Conceptboard | あり | 月額 €5/ユーザー(付加価値税別) | 有効なボード 3 つ/1 ボード 100 要素 | ドイツの企業。欧州でのデータ管理を重視する組織向け |
料金は 2026 年 10 月 20 日時点で各社の公式サイトに掲載されている値です。ドル建て・ユーロ建ての製品は税別の表示です。
主要ツールの特徴
Miro
付箋・図形・コネクタ・テンプレートをそろえた、オンラインホワイトボードの代表的な製品です。テンプレートは 7,000 以上あり、ふりかえりや業務フローなどの型からすぐに始められます。無料の Free プランはメンバー数が無制限で、編集できるボードは最新の 3 つまでです。AI クレジットは月 10 で、書き出しは低解像度に限られます。有料の Starter は月額 $8、Business は月額 $20/メンバーで、いずれも年払いの価格です。年払いは月払いより 20% 安いと案内されていますが、月払いの金額は公式ページで確認できませんでした。Enterprise は 30 人からで、料金は問い合わせになります。用途を決めずに幅広く使いたい組織に向いています。
FigJam
デザインツールの Figma が提供するオンラインホワイトボードです。Figma のデザインファイルと同じ画面で開けるため、デザインのレビューや画面の流れの検討に使いやすい点が特徴です。FigJam だけを個別に購入するプランはなく、Figma のプランとシートを選んで使います。無料の Starter プランは、プラン全体で 1 チーム・ファイル 3 つまでです。有料の Professional では、FigJam を使う Collab シートが月額 $3 です(月払い・年払いの区別は公式ページで確認できず)。Business と Enterprise の Collab シートは年払いで月額 $5 です。すでに Figma を使っているチームに向いています。
Mural
ワークショップやチームでの議論を進めるための機能に力を入れたオンラインホワイトボードです。テンプレートを使った議論の進め方など、進行役(ファシリテーター)を助ける使い方を前面に出しています。無料プランはメンバー数が無制限で、編集できるボードは同時に 3 つまでです。閲覧だけのビジターは無制限に招待できます。有料の Team+ は月額 $9.99(年払い)または $12(月払い)/メンバー、Business は月額 $17.99/メンバー(年払い)です。社内研修や顧客とのワークショップを定期的に開く組織に向いています。
Lucidspark
作図ツール Lucidchart を提供する Lucid 社のオンラインホワイトボードです。ホワイトボードで出したアイデアを、Lucidchart で正式な図に仕上げる流れを作りやすい点が特徴です。無料プランでは編集できるボードが 3 つまでで、図形は無制限に使えます。公式サイトの案内では、有料の Individual が $9、Team が $10 です。月払いか年払いか、最低人数は公式で確認できませんでした。Lucidchart と Lucidspark は別の製品で、片方の契約にもう片方は含まれない点にも注意が必要です。すでに Lucidchart で業務フロー図を作っている組織に向いています。
Zoom Whiteboard
Zoom の会議の中から開けるオンラインホワイトボードです。Zoom をすでに使っている組織なら、別のサービスを増やさずに使い始められます。無料の Zoom Workplace Basic に含まれる Whiteboard Basic では、同時に編集できるボードが 3 つまでです。書き出しは PNG と PDF に限られます。有料の Whiteboard は月額 $5.83(年払い)または $7(月払い)/ユーザーです。社内外の会議を Zoom で行っていて、新しいツールを増やしたくない組織に向いています。
Microsoft Whiteboard
Microsoft 365 の中で使えるホワイトボードです。Teams の会議の中から開けるため、Teams を使っている組織では追加のアカウントなしで使えます。Microsoft の公式サポートによると、Windows・iOS・Android 向けの単体のアプリは 2026 年 10 月 16 日に廃止されました。職場・学校アカウントでは Whiteboard 自体は廃止されず、Teams と Web で引き続き使えます。個人用の Microsoft アカウントでは、インストール済みのアプリを開いても廃止の案内が表示されます。単体の料金は公式で確認できませんでした。Microsoft 365 の法人契約がある組織で、Teams の会議の中で手早く図を描きたい場合に向いています。
Excalidraw
手書き風の線で図を描ける、オープンソースのオンラインホワイトボードです。アカウントを作らなくても、ブラウザで開けばすぐに描き始められます。無料版はエディタの機能をすべて使え、共同編集者の数は無制限です。生成 AI は 1 日 10 回まで使えます。チーム向けの有料版 Excalidraw+ は月額 $6/ユーザー(月払い)で、年払いにすると 14% 安くなると案内されています。打ち合わせ中にさっと構成図を描きたいエンジニアや、軽く使いたい少人数のチームに向いています。
Whimsical
フローチャート、マインドマップ、ワイヤーフレーム、付箋を 1 つのボードで扱えるツールです。図形の配置が自動でそろうため、整った図を短い時間で作れます。無料プランでは、ボードの要素を月 50 個まで作れます。ファイルのアップロードは 1 ファイル 5MB、合計 1GB までです。有料の Pro は月額 $10、Business は $20/編集者で、いずれも年払いの価格です。月払いの金額は公式ページで確認できませんでした。業務フローや画面遷移を整理したい小さなチームに向いています。
Conceptboard
ドイツの企業が提供するオンラインホワイトボードです。欧州に拠点を持つ組織や、データの管理体制を重視する組織で検討されることがあります。無料プランは有効なボードが 3 つ、1 ボードあたり 100 要素、ストレージ 250MB までです。有料の Starter は月額 €5/ユーザーで、1 人から契約できます。Advanced は 10 人以上・12 か月の契約で月額 €10/ユーザーからです。価格はいずれも付加価値税別です。ボードの数を絞って少人数から始めたい組織や、ユーロ建てで契約したい組織に向いています。
無料のオンラインホワイトボードで足りるか
単発の会議やちょっとした打ち合わせなら、無料プランで十分なことが多いです。今回取り上げた製品の多くは無料プランでもメンバー数に上限がなく、付箋や図形、共同編集といった基本の機能は使えます。
一方で、継続して使うと次の制限にかかりやすくなります。
- 編集できるボードの数:Miro・Mural・Lucidspark・Zoom Whiteboard・Conceptboard は 3 つまでです。会議のたびにボードを作ると、すぐに上限に届きます
- 書き出しの形式と画質:Miro は無料プランでは低解像度、Zoom Whiteboard は PNG と PDF だけです
- 要素の数:Whimsical は月 50 個、Conceptboard は 1 ボード 100 要素までです
- 管理機能:SSO やボードの公開範囲の管理は、上位プランに限られることが一般的です
社外秘の情報を扱う会議や、部署で継続して使う場合は、管理機能を含むプランを前提に予算を組むほうが安全です。無料プランで操作感を確認し、使う人数とボードの数が分かった段階で有料プランを検討するとよいでしょう。
会議で描いた図を活かすには
オンラインホワイトボードでよくある悩みは、描いた図が会議のあとに見返されないことです。ボードのリンクを議事録に貼っても、どれが最新か分からなくなったり、付箋で並べた段取りを手順書に書き直す手間が発生したりします。
この手間を減らすには、ボードの置き場所を決めておくのが近道です。たとえば「案件ごとのページにボードのリンクを 1 つだけ貼る」「決まったことは会議の最後に文章でまとめ、ボードの横に置く」といった決まりを作っておくと、あとから探しやすくなります。ボードの書き出しに対応した製品なら、決まった時点の図を画像や PDF で残しておくのも有効です。
Samurai App という選択肢
Samurai App の SIROE キャンバスは、文書と同じページに持てるオンラインホワイトボードです。付箋・図形・テキスト・フレーム・ペンによる手書きを置き、要素どうしを矢印でつなげます。ページの上で「テキスト」と「キャンバス」の表示を切り替えられ、開いている表示は URL に残るので、リンクで同じ表示を共有できます。図だけが別のファイルに分かれることはありません。なお、画像をキャンバスに置くことはできません。
チャットから頼むと、AI がキャンバスの要素を追加・更新・削除します。ページの AI アクセスを OFF にすると、キャンバスも AI の対象から外れます。
料金は会社に 1 本の基本料と、使用量に応じたクレジットで、人数では増えません。クレジットカード不要の無料トライアルがあります。
よくある質問
オンラインホワイトボードは無料で使えますか?
使えます。今回取り上げた 9 製品のうち、Microsoft Whiteboard 以外は無料プランや無料版があります。ただし、編集できるボードが 3 つまで、要素の数に上限がある、書き出しの画質が限られる、といった制限があります。
Microsoft Whiteboard は今後も使えますか?
Microsoft の公式サポートによると、Windows・iOS・Android 向けの単体のアプリは 2026 年 10 月 16 日に廃止されました。職場・学校アカウントでは廃止されず、Teams と Web で引き続き使えます。個人用の Microsoft アカウントで使っていた場合は、ほかの製品への移行を検討する必要があります。
社外の人をボードに招待できますか?
多くの製品で招待できます。Mural は無料プランでも、閲覧だけのビジターを無制限に招待できます。Miro の無料プランにはゲストの役割がなく、ビジターは閲覧だけです。編集まで任せたい場合は、有料プランでのゲストの扱いを確認しましょう。
会議ツールと別に契約する必要はありますか?
Zoom Whiteboard は Zoom Workplace に、Microsoft Whiteboard は Microsoft 365 の法人・教育向けの契約に含まれます。すでに契約している会議ツールのホワイトボードで足りるかを先に試し、テンプレートや進行の機能が足りない場合に専用の製品を検討すると、無駄な契約を避けられます。
出典
- Miro 料金
- Figma 料金
- Figma のプランと機能
- Mural 料金
- Lucidspark ガイド(料金を含む)
- Zoom Whiteboard 料金
- Microsoft Whiteboard 単体アプリの廃止
- Excalidraw+ 料金
- Whimsical 料金
- Conceptboard 料金
料金と仕様は 2026 年 10 月 20 日時点で各社の公式サイトで確認したものです。最新の情報は各社のサイトでご確認ください。